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調査レポート
Live2D20年目の現在地

2006年の創業以来、私たちはクリエイターの表現の幅を広げることに挑戦してきました。
私たちのプロダクトは単なるソフトウェアの枠を超え、それを使うクリエイターの皆さまの活躍によって、
新しい職業や市場、文化を生み出す「表現分野」として発展してきました。
今回、株式会社角川アスキー総合研究所の協力のもと、その現状を調査しました。

なお、本調査内の数値や成果は、関連市場の動向を把握する参考指標として記載しておりますが、
各クリエイターやそのチームの制作力・運営力により生まれたものです。
Live2Dはあくまでキャラクター表現を技術面から支援する立場として、
クリエイターの皆さまの創作活動をサポートしています。

© 京都芸術デザイン専門学校

「世界に広がる
Live2Dのクリエイター」

Live2D Cubism Editor
月間アクティブユーザー数※1

100,000

(うち日本国内 32,000人)

Asia Pacific(etc. Japan) 37%

Japan 31%

North America 14%

Europe 12%

Latin America 5%

Rest of World 1%

世界に広がるLive2Dのクリエイター
  • ※12025年7月時点における、Live2D Cubism Editorの月間アクティブユーザー数。これらの数値には、関連プラグイン等の補助ツールやSDKのユーザー数は含まれていません。

幅広い用途・安定した需要

Live2Dは「イラストを動かす」汎用技術として、ゲームやアプリ、VTuberなど、さまざまなコンテンツで利用される国際標準となっています。IPビジネスとの親和性も高く、クリエイターに安定した仕事や収入を提供しています。近年では、AIエージェントのインターフェースとして注目が高まっているほか、映画やTVアニメなどの映像コンテンツでの本格利用も広がっており、活用範囲はさらに拡大中です。

ゲーム市場への影響

  • Live2Dを活用した
    商用ゲーム・アプリの数※2

    540タイトル

  • Live2Dを活用したゲーム・アプリの
    市場規模(年間)※3

    7,000億円

    (うち日本国内 1,500億円)

  • ※22025年9月時点における、Live2D Cubism SDKを利用した中規模以上の事業者によってリリースされたゲーム・アプリのタイトル数。これらの数値には、個人や小規模事業者によるタイトル数は含まれていません。
  • ※3株式会社角川アスキー総合研究所が、Live2D採用作品の情報とファミ通ゲーム白書などの市場調査に基づいて算出した2024年の市場規模。本数値はLive2Dを活用しているコンテンツ全体の売上規模の合計値であり、その全てがLive2Dの利用により発生したものではありません。Live2Dは、これらのコンテンツにおけるキャラクター表現技術の一つとして採用されています。

Live2Dを利用している
ゲーム・アプリの例

プロジェクトセカイ

プロジェクトセカイ
カラフルステージ! feat. 初音ミク
セガ / Colorful Palette

エンバーストーリア

エンバーストーリア
スクウェア・エニックス

呪術廻戦 ファントムパレード

呪術廻戦 ファントムパレード
Sumzap

魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra

魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra
アニプレックス

ドールズフロントライン:ニューラルクラウド

ドールズフロントライン:ニューラルクラウド
サンボーン

転生したらスライムだった件 テンペストストーリーズ

転生したらスライムだった件
テンペストストーリーズ
バンダイナムコエンターテインメント

VTuber市場への影響

  • トップVTuberのLive2D利用率※4

    95

  • Live2Dを活用したVTuberコンテンツの
    市場規模(年間)※5

    3,000億円

    (うち日本国内 1,200億円)

  • ※42025年9月における、YouTubeでのチャンネル登録者数上位のVTuberを対象に、配信モデルにLive2Dを利用している比率。
  • ※5Live2D社と株式会社角川アスキー総合研究所が、主要VTuberのLive2Dの利用状況や収益モデルと矢野研究所などの公的統計に基づいて算出した2024年の市場規模。本数値はLive2Dを活用しているコンテンツ全体の売上規模の合計値であり、その全てがLive2Dの利用により発生したものではありません。Live2Dは、これらのコンテンツにおけるキャラクター表現技術の一つとして採用されています。

Live2D技術を利用している
VTuber関連サービスの例

ホロライブプロダクション

ホロライブプロダクション

IRIAM

IRIAM

REALITY

REALITY

にじさんじ

にじさんじ

17LIVE

17LIVE

Live2DをAIエージェントの
インターフェースとして利用している例

AI Partner

AI Partner
シャープ株式会社

Gen-AI avatar

Gen-AI avatar
Mediatek

NTT XR Concierge

NTT XR Concierge
NTT QONOQ, INC.

SELF

SELF
SELF株式会社

Live2Dを利用している映像コンテンツ
(TVアニメ・映画)の例

風を継ぐもの

風を継ぐもの
©Project Kaze

TVアニメ「殿と犬」

TVアニメ「殿と犬」
©西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会

WIND BREAKER Season 2

WIND BREAKER Season 2
©にいさとる・講談社/WIND BREAKER Project

Fate/Grand Order 2025年お正月CM

Fate/Grand Order 2025年お正月CM
©TYPE-MOON/FGO PROJECT

『SPY×FAMILY』Season 2

『SPY×FAMILY』Season 2
©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

多くのクリエイターが
稼げる市場

Live2D制作の特徴は、納品後も継続的な需要があることです。表情や衣装、パーツ、アニメーションの追加発注やメンテナンス依頼に発展しやすく、制作案件の単価向上につながっています。また、クライアントとの長期的な関係構築により、安定した収入を得やすい傾向があります。さらに、nizimaのようなプラットフォームやSNSの発展により、仕事の受発注やアセットの売買がオンラインで気軽に行えるようになりました。
Live2Dの普及がイラストレーターの活躍の幅を広げ、神絵師はもちろん、新人から中堅イラストレーターの収益力の向上にも貢献し、結果的に表現の多様性も広がっています。

個人・フリーランスの
Live2D制作・販売の流通額(年間)※6

60億円

(うち日本国内 25億円)

  • 個人・フリーランスの
    Live2D制作案件の数(年間)※7

    36,000

    (うち日本国内 15,000件)

  • 個人・フリーランスの
    同一顧客からの再発注経験率※8

    90

  • ※6株式会社角川アスキー総合研究所が、2025年9月時点における主要なクラウドソーシングプラットフォームおよびSNSでの取引情報とLive2D社の販売データに基づいて算出した2024年の数値。
  • ※7これらの数値には、法人間の制作は含まれていません。
  • ※8Live2Dの制作業務を請け負う個人クリエイターへのアンケート調査に基づいて算出しました。アンケート回答者には、請負業務を始めたばかりの個人クリエイターも含まれます。

Live2Dの制作依頼・販売
プラットフォームの例

nizima

nizima

ココナラ

ココナラ

pixiv BOOTH

pixiv BOOTH

SKIMA

SKIMA

Upwork

Upwork

VGen

VGen

ArtStation

ArtStation

ARTMUG

ARTMUG

クリエイターと共に
広がるシステム

Live2D社では、制作したLive2Dモデルやアニメーションをコンテンツに組み込むための開発者向けSDKを提供しています。ゲームなどのエンドプロダクトの開発だけでなく、配信ツールや動画編集ソフトといった多様なツール開発も可能となっており、世界中のクリエイターと共にLive2Dの新たな可能性と市場を開拓し、時代に合わせた発展を続けています。
さらに、個人や小規模事業者によるコンテンツ利用については、ライセンス契約や料金が不要となっており、インディークリエイターが導入しやすい環境を整えています。

Live2DがSDKを提供している開発環境

Unity
UNREAL ENGINE
COCOS
WebGL
Nintendo Switch 2
Nintendo Switch
PS4 | PS5
iOS
Android
HarmonyOS
  • プレイステーション ファミリーマーク、“PS5ロゴ”および“PS4ロゴ”は株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。
  • Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。

Live2D SDKを利用したツール

nizima LIVE

nizima LIVE
(配信・ストリーミングツール)
Live2D

nizima ACTION!!

nizima ACTION!!
(動画編集ツール)
Live2D

VTube Studio

VTube Studio
(配信・ストリーミングツール)
Denchisoft

Animaze by FaceRig

Animaze by FaceRig
(配信・ストリーミングツール)
Holotech Studios

Visual Novel Maker

Visual Novel Maker
(ノベルゲーム開発ツール)
KOMODO

ティラノビルダー

ティラノビルダー
(ノベルゲーム開発ツール)
STRIKEWORKS

多様な雇用を創出

Live2Dの制作では、専用のイラストやモデル、モーションの制作のほか、それらを使った動画コンテンツやアプリケーション開発など、専門性の高いスキルが求められます。これらの作業はパソコン上で行われるため、クリエイター同士の分業的かつ協働的な制作スタイルが地域を超えて広がっています。

創出されているLive2D制作関連の
雇用の数(2025年時点)※9

31,630

(うち日本国内 13,130人)

  • Live2D社の従業員数※10

    130

  • Live2D制作に関わる法人雇用数※11

    1,500

    (うち日本国内 1,100人)

  • Live2D制作に関わるフリーランスの数※12

    30,000

    (うち日本国内 12,000人)

  • ※9以下(10)(11)(12)の合計値。
  • ※102025年9月30日の時点で直接雇用されているLive2D社の就業員の数。
  • ※11本数値は、Live2D Cubism Editorを直接使用して業務を行う法人就労者数(直接効果:Direct Employment)を示しています。算出は、株式会社角川アスキー総合研究所が2025年9月時点で、CESAゲーム白書2024、WIPO、EGDF、WiseGuy、Keywords Studio、Newzooなどの公的統計、およびLive2D社の法人利用ライセンス数、関連法人へのアンケート調査結果をもとに行いました。なお、Live2D関連のサービスや制作工程など周辺業務に従事する就労者(間接効果:Indirect Employment)、およびLive2D利用による事業拡大・消費活動によって生まれる就労者(誘発効果:Induced Employment)は含まれていません。
  • ※12株式会社角川アスキー総合研究所が、2025年9月時点における主要なクラウドソーシングプラットフォームおよびSNSでの取引情報と『フリーランス白書』などの公的統計に基づいて算出しました。

教育への貢献

Live2D社では、この分野の未来を担う人材を育成するため、さまざまなサポートに力を入れています。プロを目指す方向けのオンライン講座「Live2D JUKU」の運営や、マニュアル・チュートリアルの提供に加え、Coloso.(英語・韓国語)やSodaart(中国語)などのオンライン教材サービスや世界各国のトップクリエイターとの連携を通して、多様な学習環境を整えています。
また、教育機関へのライセンス無償提供や学割の提供、そして学生による作品発表費用の助成も実施しており、ライセンス料収益の一部を次世代クリエイター支援という形で還元しています。

  • Live2Dを導入している教育機関数※13

    580

    (うち日本国内 549校)

  • 無償でライセンス提供した学生数※14

    48,000

    (うち日本国内 46,000人)

  • オンライン講座の数※15

    15,000

    (うち日本国内 6,000本)

  • Live2D社の教育への還元費※16

    17億円

  • ※13Live2D 教育支援プログラム (LEAP) を通じて無償ライセンスを提供してきた教育機関・プログラムの数の2025年9月時点における累計。この数値には、同一教育機関内の異なるプログラムや更新利用の数も含まれます。
  • ※14Live2D 教育支援プログラム (LEAP) を通じて無償ライセンスを提供してきたLive2D Cubism Editor PRO版ライセンスの数の2025年9月時点における累計。
  • ※152025年10月時点のYouTube等の主要な動画プラットフォームにおけるLive2Dに関する学習動画の数。この数値には、Live2D社が直接および各国のトップクリエイターと連携して制作した動画も含まれます。
  • ※16これまでにLive2D 教育支援プログラム (LEAP) を通じて無償提供したPRO版ライセンスの売価、学割の割引額、Live2D社がLEAP共同ブランディングを通じて教育機関に支払った支援金額の総額。

【株式会社角川アスキー総合研究所・上床光信氏コメント】
クリエイターエコノミーの
基盤としての
Live2D

2006年の登場から約20年。Live2Dの社会的インパクトの核心は、グローバルな「クリエイターエコノミー」の形成にあると言えるでしょう。

イラストレーターやモデラー、ゲームクリエイター、VTuberなど、分野や国境を越えた協業が当たり前となり、Live2Dという日本発の技術が世界中のクリエイター生態系に波及している様は、一種の感動を覚えます。

とりわけAIが発展するこれからの時代においては、キャラクターの背景にあるストーリーや、クリエイターの思い入れがさらに重要視されていく傾向があり、作品にどれだけ「ストーリー」や「個人の想い」が反映されているかが、新しい価値基準となりつつあることを示唆しています。そういった意味で、Live2Dで創出されるコンテンツは、これからの時代にマッチしており、そのニーズはさらに高まっていくのではと想像しています。

Live2Dによって育まれる、この創造的な協業文化とそれを支える人的ネットワークは、今後のデジタルコンテンツ産業の発展における貴重な資産となるでしょう。

本調査レポート監修
株式会社角川アスキー総合研究所『ファミ通ゲーム白書』編集部 チーフアナリスト 上床光信氏

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